UVインクジェットプリントは様々な素材に印刷する事が出来ますが、印刷対象物の用途に応じた耐久性の確保には、印刷面への下地処理(アンダーコート)や印刷後の表面処理(オーバーコート)が不可欠となります。江戸・両国S&Dファクトリーでは、品質保証部の専任のチームによる研究開発により、日々新しいソリューションとノウハウの蓄積を行っており、様々な素材へ特化したアンダーコートやオーバコートを開発しています。

 今回は、S&Dファクトリーで使用されるアンダーコートの開発を担当している三浦印刷 品質保証部生産技術課の由岐さんにインタビューをお願いしました。

Q:アンダーコートを開発する理由は何ですか?

 一般的にメーカーが販売しているアンダーコート剤は汎用的で、何にでも使えるが性能は今イチと行った物が多いです。セリコール社がユーザーに提供しているものも2種類程度で、性能はそこそこと行った感じが否めません。
 シルク印刷の現場では、体用目的に合ったインクを使用することで、密着性能を高めることが出来るのですが、UVインクジェットプリンターではメーカー指定のインク以外を使用するのはかなりリスクがあります。 そのため、インクを変えるのではなく、下地処理剤で密着性を確保する必要が出てくるのです。

Q:どのようなアンダーコートを開発しますか?

 実際には市販品に無い様な、ある部材のみに特化した、一点スイートスポットでの強力な性能を持つアンダーコート剤を開発しています。ガラス素材へのアンダーコートではどこにも負けないスグレものが幾つかありますし、その他、特殊なアンダーコートとしては、鏡に直接プリントするためだけに開発したアンダーコートというのもありあます。
 一般にUVプリンターは鏡に直接プリントしようとすると、インクジェットのヘッドにUV光が反射してヘッドの調子が悪くなってしまうという問題がありました。少量のプリントでは問題ないかもしれませんが、量産ベースではヘッドが目詰まりをおこしてしまいます。
 この問題を解決するために、鏡用のアンダーコートを開発したのです。(特許出願中)

Q:アンダーコートを開発する上で、苦労する点はどんなことですか?

 プリント後の使用環境も想定しなければなりませんし、状況によっては、寒冷地や高温下での耐候性も考慮しなければなりません。
その他、環境的な側面への考慮などもありますが、最も苦労するのは、お客様から持ち込まれるマテリアルに向けてのオーダーメイドでアンダーコートを開発する事でしょうか、特に開発期間が限定されているものに関しては非常にプレッシャーを感じています。

Q:今後の開発テーマは?

 これは、ある意味企業秘密になってしまうので、具体的なことはいえませんが、アンダーコートの塗布の方法に関しても、様々な方法があるのではと考えています。また、アンダーコートに変わるものとして、幾つかのアイデアも研究中です。